導入・支援事例


ウィルPMでは、専門的な知識・経験を持つコンサルタントが、皆様方のご相談に対して、各種アドバイスや問題点の改善のサポートを行うなど支援を実施しております。私たちに寄せられた数々のご相談の中から行動科学マネジメントに基づいて調査・分析を実施し、支援を行ってきた事例をピックアップしてご紹介いたします。

行動科学研修

行動科学コンサルティング


楽天株式会社様

インターネットショッピングモール「楽天市場」を中心に、様々なサービスを提供している楽天株式会社は、ウィルPMのマネージャー向け研修を導入しました。研修を企画した執行役員 楽天市場営業第三部 部長の城戸(きど)氏、実際に受講したマネージャーの津田氏、清宮(せいみや)氏に、研修導入の背景と経緯、研修への評価、研修後の変化について詳しく伺いました。


研修導入前の2つの課題

城戸様の業務について教えてください。

「弊社の課題を解決するために、行動科学マネジメントが有効だと判断しました」と語る

執行役員として、営業部をマネジメントしています。楽天市場事業部には営業部が10部門あり、所属する社員数は450名です。私はそのうち6つの営業部、300名を統括しています。

ウィルPMの研修を導入した背景を教えてください。

楽天市場事業部は、現在、国内営業の強化と海外展開の推進に注力しています。しかし、その事業拡大のスピードに応じた人材育成ができていません。 当面の課題は、「社員の業務の標準化ができていないこと」と「結果だけで判断するマネジメントになりがちなこと」の2点です。ウィルPMの行動科学マネジメントは、この2つの課題を解決するために有効だと考え、今回、研修を実施しました。

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「業務が標準化されていないこと」で起こる問題

課題についてお伺いします。
社員の業務内容とその標準化が必要な理由について教えてください。

社員の業務は、楽天市場にご出店いただいている店舗様の流通総額を増やす、つまり売上を上げるためのコンサルティングです。これには、広告の活用や楽天市場の各種企画への参加、楽天大学というコンサルティング型のセミナーの受講などの各種ご提案も含みます。国内営業の強化と海外展開の推進の成功には、この業務を標準化することによる、全体の底上げが欠かせません。

業務が標準化されていないと、何が問題なのですか?

いろいろありますが、2つ述べます。

まず、業績が属人的になるために、人事異動が難しくなることです。 業績の良い社員が異動すると、担当していた店舗様の売上だけでなく、所属していた部署の売上にも影響が出てしまいます。一方、業績の良くない社員の多くは、必要な能力を身に付けていないため、希望の部署への異動ができません。すると1つの部署に居続けることになり、仕事へのモチベーションを保ちにくくなります。

次 に、マネージメントの難易度が高くなることです。 今回、研修を受講したのは、社員を管理、育成するマネージャーです。彼らは、社員ひとりひとりの業績や能力に合わせたマネジメントをしているのですが、標準化されていない状況では、見なければいけない能力の幅に際限がなくなってしまいます。

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「結果だけで判断するマネジメント」の影響

「結果だけで判断するマネジメントになりがちなこと」について、詳しく教えてください。

私は、マネージャーが、社員の管理、育成をするには、彼らの業績を見るだけではなく、コンディションを見る必要があり、そのためには、直接、ひとりひとりと顔を合わせる必要があると考えています。

しかし現在、それができていません。理由は、事業部の部門の下には47のグループがあり、これらを28名のマネージャーが管轄しているため、1人のマネージャーが複数のグループを兼務しているからです。

このような状況では、マネージャーが社員の近くにいることは、物理的に困難ですし、時間も十分に取ることができません。そのため、どうしても結果で判断するマネージメントになりがちです。また、社員は、仕事やプライベートについての相談や報告を、すぐに上司にすることができず、ストレスを感じるようになります。その結果、メンタル面で不調を抱えたり、プライベートで重大な悩みを抱えたり、いつのまにか転職先を決めていたり、といったことが起こります。

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なぜ、ウィルPMの研修を選択したのか

研修導入に至る経緯について教えてください。

2012年11月、常務との打ち合わせの際、マネジメントの話題になりました。私が「石田先生の書籍の手法を取り入れている」と言うと、「年末に実施する研修を、石田先生にお願いできないか」という話になり、常務がその場でフェイスブックを経由して、石田先生に直接メッセージを送りました。後日、営業の方に来ていただき、当社の要望を伝え、それに合わせた研修を年末に実施していただきました。

書籍を手にされたのはどうしてですか?

教える技術

私がマネジメントに悩んでいた時に、人に薦められたからです。

私は2000年に入社したのですが、ほどなく、部下をマネジメントする役職に就きました。その当時は、私がすべての戦略を考え、その実現のために、部下に厳しい要求していました。「こうすれば人を育成できる」と考えていたからです。 しかし、辞めてしまうメンバーが出てきてしまうようになり、「なぜ、私の言うことを分かってもらえないのだろう?」、「どうして、私の思う通りに人が育たないのだろう?」と思い悩むようになりました。

その時に周りの人に薦められたのが、石田先生の「リーダーのためのとっておきのスキル」でした。この書籍に載っている手法は、精神論や感覚論ではなく、具体的で科学的でしたので、とても新鮮でした。この書籍との出会いをきっかけに、「自分のマネジメントを、全部ゼロからやり直したい」と思い、実際に書籍のマネジメント手法や考え方を取り入れ、部下の育成に集中したところ、戦略も戦術も以前より優れた内容になり、結果として業績が上ったのです。

この経験を通じて、業績の向上と部下の能力の向上は繋がっていることを体感し、今では、「人を育てることが、マネージャーの仕事の99%を占める」と考えるようになりました。

書籍のマネジメント手法を取り入れた結果、業績が向上したということですが、ではなぜ今回、ウィルPMのマネ―ジャー向け研修を導入されたのですか?

理由は2つあります。

1つは、事業が拡大し、私の管轄する部門が増え、マネージャーの育成に手を回すことができなくなったからです。先ほども申しましたが、私は現在、6つの部門、約300名の社員を統括しています。様々な業務を兼務しているだけでなく、移動も多いため、物理的にも時間的にも、人材育成だけに集中することができません。

もう1つは、業務の標準化ができなかったからです。実は以前、幾度となく業務の標準化に取り組んだことがあるのです。海外での展開を成功させる上で必要不可欠と考えているからです。しかし、そのために必要な「行動の因数分解」という概念が、社内に浸透しませんでした。「行動を因数分解しないこと」が社内で当たり前になっているため、この状況を内部から変えることは困難という結論に至りました。

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ウィルPMの研修の内容について

今回受講された研修について教えてください。

2日間にわたる研修でした。カリキュラムは次の通りです。

カリキュラム一覧
1.行動科学マネジメントとは
2.『できない』→『できる』になるたった2つの方法
 (1)やり方がわからない
 (2).継続の仕方がわからない
3.行動分解力アップゲーム
4.3つの理論の解説とワーク
 (1)ディスクレーショナリーエフォート
 (2)リインフォース
 (3)ABCモデル
5.トータルリワード(非金銭的報酬)の活用方法

※トータルリワード(Total Reward)・・・リワードとは報酬のこと。社員の成長のためには、金銭的報酬だけでなく、非金銭的報酬を含む総合的な報酬を与えて動機付けする必要があるとする考え方。ウィルPMでは、トータルリワードと行動科学マネジメントを連動させることで、企業を短期間で成長する組織に変革する手法を確立している。

研修を実施された感想をお聞かせください。

私は、ファシリテーターとして参加したのですが、非常に素晴らしい内容でした。

まず、初日に見せていただいた映像コンテンツに「どれだけ裏切られても信じなさい」という言葉がありました。これは、私が普段マネジメントをする上で、核としている考え方ですので、「楽天グループの管理職全員に見せたい」と思うほど感動しました。

具体的な行動につながるものとしては、マネージャーが部下に指導する際にすぐに使用できる、「行動を因数分解する」という武器をいただけました。それから、マネージャーの強みと弱みを認識するための調査と、その結果にもとづくアクションプランを作成しました。今後、マネージャーが、どのような行動を取るのか、興味深いです。

受講された方からの声には、どのようなものがありましたか?

「今までの管理職向けの研修の中では、一番良かった」という声が多かったです。現場で研修の内容をどのように活用してるかについては、実際に受講したマネージャーの津田と清宮に、直接聞いてみてください。

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研修受講者の声

ではここで、マネージャーの津田さんにお話を伺います。
まず業務内容について教えてください。

「以前は、曖昧な基準で評価していたことに気付きました」と語る

楽天市場事業部で20名のマネジメントをしています。具体的な業務は、社員の数字やコンディションの把握、権限の委譲、客先への同行訪問などです。試行錯誤をしながら社員の育成に取り組んでいます。

研修を受講されていかがでしたか?

実は、4年前から行動科学を知っていました。「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」という書籍を上司に薦められて読み、衝撃を受けて以来、マネジメントの指針にしていたのですが、実際に受講したところ、学ぶことが多いと思いました。

例えば、トップ営業マンの技術を因数分解するだけでなく、更に、MORSの法則(※)にもとづいて、数値化や明確化した行動まで落とし込んで教えるところまではしていませんでした。以前は、曖昧な基準で評価していたことに気づきました。

研修の内容をどのように使われましたか?

研修に参加して、社員とのワントゥワン・コミュニケーションの重要性を認識しましたので、受講後、1ヶ月で、全員と面談をしました。話の内容は、日々の業務についてではなく、趣味や休日の過ごし方といったプライベートなことや仕事に対する想いについてです。

その結果、打ち解けた雰囲気になり、社員が、仕事に対する本音を言ってくれるようになりました。社員に「キチンと見ている」ということが伝わったのだと分析しています。

現在、新たな取り組みとして、研修の内容を取り入れ、提案資料作成用のフレーム作りを進めています。新卒の社員は、技術や知識、経験が少ないため、提案資料の完成度が低く、その完成度も、人によってバラつきがあります。まずは彼らが一定のレベルの資料を作成できるようなフレームを完成させ、その後、浸透させていきたいと考えています。

※MORSの法則・・・ 行動科学マネジメントにおける「行動」の定義の仕方。行動とは、「M (Measured):計測できること」、「O (Obserable):観察できること」、「R (Reliable):信頼できること」、「S (Specific):明確化されていること」の4つの条件を備えている必要がある。この頭文字を取って「MORSの法則」と呼んでいる。

次に、清宮様にお伺いします。研修内容をどのように活用していますか?

「部下に対し、役割に応じた適切な評価をする必要性を学びました」と語る

私のグループには、私の下に、リーダーというプレイングマネージャーが2名います。彼らと、リーダーが期待されていることやその役割、あるべき姿について話し合い、「いつまでに何をするのか」というゴール設定をしました。

というのも、研修に参加し、今まで、彼らに対してプレイヤーとしての評価はしていたものの、リーダーとしての評価をしていないことに気付いたからです。今後は役割に応じた適切な評価をしていきます。

また、この話し合いで、「部下を育成するにあたり、どこまで具体的に指示をしていいのか分からない」など、彼らの抱えている悩みが分かりました。そこで、研修の資料を見せながら、部下の成熟段階によって受け止め方や理解力に違いがあるので、それに合わせて分かりやすく指示する必要があることを伝えました。

今後の目標は、1年以内に、私と同じ役割を担える人材を育てることです。

城戸様、津田様、清宮様、お忙しい中ありがとうございました。

取材協力:ソーシャルメディアデザイン
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大日本住友製薬様

「大日本住友製薬はウィルPMの管理職向け研修を導入しました。受講者の96%が4段階評価で4を付けています。」

大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市中央区)の東日本地域本部は管理職向けにウィルPMの研修を導入しました。企画担当者の東日本地域本部 地域統括部 戦略グループの古田氏(写真右)と佐藤氏(写真左)に、導入前の課題、導入の経緯と評価について伺いました。


医薬品事業の現場について

業務内容を教えて下さい。

(古田) 東日本地域本部の戦略グループでマーケティング担当をしています。主な業務は現場で活動するMRの支援のために、市場データや売上げデータの情報を収集・分析・加工し、現場にフィードバックする事です。 当部署では、業績の向上を図るために、営業本部からの指示徹底・営業力強化が業務となります。営業力強化の一環として研修を行う事もあります。

MRの主な業務を教えて下さい。

(佐藤) MRとは、Medical Representativeの頭文字を取ったもので、医薬情報担当者と訳されます。病院や開業医のドクターや薬局などへ訪問し、ドクターや担当者に医薬品の効果や安全性、有効性などの情報を提供し、弊社の製薬を治療に役立てていただくことが主な業務です。 MRの仕事で課題となるのは、ドクターとの人間関係を構築することです。ドクターの治療方針やニーズに合致した情報提供や提案をするには、ドクターとの信頼関係が欠かせません。

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「指示内容が現場で徹底されない」理由

研修導入前の課題について教えて下さい。

(古田) 指示内容が現場で充分に徹底されていない場合があることです。 本部の施策については、現場のグループマネージャー(以下GM)がMRに指示を出して推進する事になっているのですが、MRによって推進度合いにバラつきが出てしまう事があります。例えば「10名のドクターに症例についての聴取をしてください。」の施策に対して、10名分の聴取をするMRもいれば、全くしないMRもいるといった具合です。

この理由のひとつとして、東日本地域本部の管轄するエリアが、国土のほぼ半分と非常に広く、GMが現場のMRとコミュニケーションをとる機会が少ない事が考えられ、指示が充分行き渡っていないのではないか?と考えています。

(佐藤) GMは、部下への「教え方」のトレーニングを充分に受けておりませんので、効果的な指示に繋がっていない可能性も考えられました。

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ウィルPMに研修を依頼した経緯

ウィルPMのセミナーを導入した経緯を教えて下さい。

教える技術

(古田) 我々東日本地域本部では、方針の徹底をテーマに年2回GMを対象とした会議を開催しています。これまで6回開催してきましたが、2012年1月の会議で、地域本部長から石田先生の「教える技術」という書籍が紹介されました。「この技術は弊社の現状の課題解決に効果的ではないか」と言うことで、参加者全員に書籍を配布しました。

同年5月に石田先生の「教える技術」のセミナーが開催されることを知り、私と佐藤が参加しました。話の仕方や展開の仕方、場の盛り上げ方を拝見し、「この方なら間違いない」と判断しました。そして、「ぜひ研修を実施していただきたい」と直接依頼したところ承諾していただき、7月の会議で研修開催が仮決定しました。最終決定は12月でした。

研修を導入するにあたり何か懸念事項はありましたか?

(古田) 元々、書籍の内容が、「方針を徹底する」という弊社の課題に沿っていたために紹介されたわけですから、特に問題はありませんでした。今回49名のグループマネージャーが受講したのですが、彼らの上司である各支店長に、研修受講のために1日拘束することについて、事前に理解と承諾をいただくといった社内調整も、非常にスムーズでした。

(佐藤) 私は、営業の方に「ウィルPMの手法は、店頭販売には適しているが、医薬品販売などのルートセールスには向かないのではないか」と質問をしました。すると、「どの業界にも業績の高い人がいて、その行動を分析するという点においては一緒です」という回答があり、納得しました。

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「明日から変化を起こしたい」受講者の声

導入された研修について教えて下さい。

(古田) 今回、大日本住友製薬がウィルPMに依頼した社内向けマネジメント研修の概要は以下のとおりです。

項目 内容 備考
実施時期 2013年1月  
研修対象 グループマネージャー 49名 管理職・40代中心
研修形態 講義とワーク 1日研修(5時間)
実施場所 大日本住友製薬社内セミナールーム  
講師 石田淳(ウィル PM インターナショナル代表)  

研修への評価をお聞かせください。

(古田) セミナー終了後に受講したGMにアンケートをとったところ96%の参加者が満足されており、我々がこれまでに実施してきた中で最高の評価でした。

アンケートの自由記述欄には、「明日から変化を起こしたい」というコメントがありました。さらに研修時に紹介されたプライドカードについて、「人を褒めることが1つのコミュニケーションになるので取り入れていきたい」というコメントがあり、参加者にも良いヒントを得ていただけたと考えています。

(佐藤) MRにどのような指示をすればいいのかGMは理解されたと思います。 5時間の研修の中で、約1時間半をかけて「行動の分解」について講義とワークがあったのですが、そこでの気付きは、「これまでMRに指示していたことは感覚的なものであり、具体的な行動の指示ではなかった」「研修内容の通りに指示を出せばMRは行動しやすいはず」といったものです。その視点を得られたことが今回の成果と考えています。

研修の内容をどのように活用していきたいですか?

(佐藤) 業績の高いMRが無意識で行っている「成果に結びつくピンポイント行動」を明確にしたいと考えます。研修内容を取り入れて行動を徹底的に分解する事で、業績の高いMRが取っている行動を見出し、他のMRに教える事により行動を変える事ができれば、全体的な業績のボトムアップが図れると考えています。

(※)プライドカード・・・報酬(リワード)の一種。望ましい行動をした社員に報酬として与えられる。カードそのものに価値があり、カードを得られること自体が名誉とされる。ポイントカードとは違い、品物とは交換できない。
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今後の期待

ウィルPMへの今後の期待を教えて下さい。

(古田) 研修をうけたGMが、研修で学んだ考え方ややり方などを実践し、継続していく事が重要だと考えています。今後、定着する為の仕組みづくりを検討する際に相談にのっていただければと考えています。 今後とも宜しくお願いいたします。

古田様、佐藤様、本日はお忙しい中ありがとうございました。

取材協力:ソーシャルメディアデザイン
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JTBベネフィット様

JTBのグループ会社で福利厚生事業を担うJTBベネフィットは、顧客サービスの一環としてウィルPMの行動科学マネジメントセミナーを実施しました。営業戦略部の渡邊氏に、その経緯と理由、実施内容、結果などについて詳しく伺いました。


JTBベネフィットについて

JTBベネフィットについて教えてください。

JTBベネフィットは、JTBグループの会社で、1,107の法人や組織の福利厚生を請け負っています。現在、サービスを利用する会員数は271.1万人です。設立は2000年、売上高は90億円、従業員数は209名(2012年)です。

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JTBベネフィットのウィルPM活用方法

JTBベネフィットはウィルPMをどのように活用しましたか。

ウィルPM代表の石田先生をお招きし、6月12日にセミナーを、7月10日にセミナーと異業種交流会を実施しました。

それぞれの内容は次の通りです。

項目 内容
日時 6月12日
人数 45名
参加者 JTBベネフィット会員制福利厚生サービス「えらべる倶楽部」会員様
セミナータイトル 挫けない力 逆境に負けないセルフマネジメント術
項目 内容
日時 7月10日
人数 22名
参加者 契約企業の福利厚生担当者様
セミナータイトル 「行動科学マネジメント」~組織と人材のベストを引き出す~

受講者様へのアンケートの結果は良好でした。弊社のブランド価値の向上に寄与していただけたと思っています。

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福利厚生の専門会社がマネジメントセミナーを実施した目的

上記のような企画を実施した目的を教えてください。


福利厚生には人を育てる機能もあると考えています。

一般的に、福利厚生には、リフレッシュやリクリエーションという価値を提供しているというイメージがあると思います。

この企画の目的のひとつは、当社の契約企業の人事担当者様に、「福利厚生には様々な価値があり、人を育てる機能もある」ということをお伝えすることです。企業の人事部門の大きな役割のひとつは、従業員の成長支援をすることです。私はこの取り組みが、結果的に、契約企業様の従業員の成長に貢献すると考えています。

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セミナーが生み出した効果について

順番にお伺いします。まず、6月12日のセミナーについて教えてください。

弊社は現在、福利厚生サービスの一つに「従業員の成長支援」をあげ、「仕事を楽しくすること」、「ビジネスのスキルアップ」をテーマに、会員様向けに様々なセミナーを実施しています。その一環として、6月12日のセミナーを企画しました。石田先生には、参加された方が仕事を楽しくするための基本スキルとなる「始める力」や「続ける力」をテーマに、話をしていただきました。

私が驚いたのは、セミナー当初は単なる願望だったことが、セミナー終了時には行動計画になっていたことです。

もう少し詳しく教えてください。

セミナーの最初のワークは、「これから始めたいことを模造紙に書く」という内容でした。受講者様は、例えば、「マラソンに挑戦したい」、「英語をマスターしたい」、「奥さんと仲良くしたい」といったことを書きます。ただ、この段階では、単なる願望でしかありませんので、参加者に実行する気は全くありません。しかし、最後のワークを終えると、これから始めたいことを目標にした、具体的な行動計画ができあがっているのです。

最初のワークが、単なるオープニングのアイスブレイクではなく、この結果への伏線であることに驚きました。

受講された方の反応にはどのようなものがありましたか?

弊社は、セミナーのアンケートに、「明日からすることを教えて下さい」という項目を設けています。その中には、「作成した行動計画書に取り組みます」といった前向きな記載がありました。

また、セミナー終了後に、受講者様同士が誘い合って飲み会を開いたと聞きました。これは弊社の会員様向けセミナーが始まって以来、初めてのことです。

どうしてそうなったとお考えですか。

ワークが受講者間の心の距離を縮めるような内容であったこと、ワークによって「自分にもできる」という前向きな気持ちが生まれたこと、それから、石田先生が一体感を生み出すようなファシリテーションをしていたことが理由だと考えています。

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初の異業種交流会開催にウィルPMを採用した理由

次に、7月10日のセミナーと異業種交流会について教えてください。


石田先生のワークには、人と人の間の距離を縮める力があると実感しました。

セミナーの受講対象は契約企業の福利厚生担当者様で、内容は「従業員にスモールゴールを達成させるためのマネジメント」についてでした。「やるべき行動を言語化したり、やり方を見せたりするといった正しい手法を知っていれば、従業員にスモールゴールを達成させることができる。」といったことをお伝えいただきました。

異業種交流会はその後に開催したのですが、実は、異業種交流会は、今回が初めての試みです。目的のひとつは、参加者様に福利厚生の知見や悩みを共有していただくことですので、参加者同士の活発なコミュニケーションが必要です。6月のセミナーで、石田先生のワークには、人と人との距離を縮める力があると実感し、「第1回目の異業種交流会を成功させることができるのは、石田先生しかいない」と判断し、依頼しました。

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企画立案から実施までの経緯

ウィルPMの行動科学マネジメントを取り入れて企画立案した経緯を教えてください。

私は前個所で、自社の社員向けに研修を実施する企業様から依頼を受け、研修会場の手配をするという業務をしていました。そのために、各社の人事部の研修担当者様と、企業の課題や研修内容、講師について打合せをするのですが、この経験を通じて、私自身が研修プログラムを作成したり、講師をするようになりました。このときに培ったものを活かして、会員様向けへ様々なプログラム提供をしています。

石田先生のことはこのプロジェクトのスタート前から存じていました。「お会いしたい」と、機会があるたびに人に伝えていたところ、今年の2月に、ある方を介して知り合うことができたのです。私は、お客様にセミナーをご提供する際には、著作物書籍を読んだだけで講演の依頼をすることはありません。必ず一度、実際にセミナーなどでお話を伺っています。なぜなら、著者の中には、書籍と実際とでは人物像が異なっていたり、話の内容に奥深さを感じられなかったりする方がいるからです。石田先生には、そういったことがありませんでした。

お会いした日に、「ビジネスマンに楽しく仕事をしてもらうには、マインドだけではなく、スキルも重要だと考えています。その最適なスキルが、石田先生の行動化科学マネジメントです。ぜひ協力してください。」と考えをお伝えしたところ、快く引き受けていただきました。

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「スタッフが『仕事を楽しい』と感じるためには」ウィルPMとの出会い

ウィルPMを知ったのは、いつ頃ですか。


短期間で組織が変わる行動科学マネジメント

ウィルPM社を知ったのは数年前です。当時、私はJTBで20名の営業チームを持っていたのですが、「スタッフが楽しく仕事をするにはどうしたらよいか?」と悩んでいた時に、ふと手にしたのが、「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」という書籍だったのです。

マネジメントに関する書籍はたくさんあります。その中には、心に響くものもあれば、頭に響くものもありますが、その両方に響くものはほとんどありません。石田先生の書籍はその両方に響きましたので、すぐに「すごい『実行力』」、「超!部下マネジメント術」、「『やる気を出せ!』は言ってはいけない」をはじめ、当時出版されている書籍を揃えました。

書籍の内容を仕事に取り入れはじめてから3年経ったときには、スタッフのうち何名かが「仕事が楽しい」と回答してくれるようになりました。

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ウィルPM社と他のマネジメント会社の違い

マネジメント会社が多々ある中で、ウィルPM社を選ばれた理由を教えてください。

理由は2つです。

まず、企業の人事部門には、従業員の成長支援をするという役割がありますが、その役割を果たすために、行動科学マネジメントは最適な方法だからです。

行動科学マネジメントは、個人が成功するための具体的な手法を提示しています。もし実践して、成功しなかったとしても、成長という結果は得ることができます。セミナーを通じて、このことを人事担当者様に知っていただければ、間接的に契約企業様の従業員の成長支援に貢献できると考えています。

次に、行動科学マネジメントの手法は、汎用性が高いからです。

ドラッカーのマネジメントは、素晴らしい内容ですが、そのベースにはマネジメントの前提となる「人間力」を高める必要があります。行動科学マネジメントの手法は、どんな状況でもすぐに適応することが出来ます。また、実践する人が上司であっても部下であっても、組織のマネジメントにもセルフマネジメントにも使用できます。このような手法は他にはありません。

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自社の顧客向けに企画を考えている方へ

自社の顧客向けに企画を考えている方へのメッセージをお願いします。

弊社では、「福利厚生が従業員の成長支援にどのように役に立てられるのか」を各社の人事担当者様と一緒に考える場として、セミナーや異業種交流会を実施しました。

先ほども述べたように、行動科学マネジメントは、企業のあらゆる立場の人が実践できる汎用性が高い手法であり、個人の成長支援をするために最も信頼のおける手法です。とはいえ、行動科学マネジメントをご存知ない方もいますので、弊社ではまず、普遍的なテーマでセミナーを実施しました。自社の顧客向けにサービスを考えている方は、状況に合わせた企画を検討してみてください。

渡邊様、本日はお忙しい中、ありがとうございました。

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中外製薬工業株式会社様
サンキューカードを用いて「感謝と認知」を強化
~トータル・リワードにより、感謝の気持ちを伝える心を養う~

同社は、2006年に設立された抗体医薬をはじめとするバイオ医薬品や高活性製剤など合成医薬品の生産分野で世界をリードする技術集団企業である。

しかし、ここ数年マネジメントで悩みを抱えていた。それは、従業員の年代層の歪みである。採用計画の諸事情により、二十代と四十代の社員が多く、三十代が少ない。大量採用した若い世代と彼らに仕事を教える四十代の社員との間にコミュニケーションギャップがあった。また従業員の形態も本社の中外製薬からの出向、正社員、契約社員、パートなどさまざまで複雑な雇用形態もマネジメントを困難にしている要因のひとつであった。

そこで社内のコミュニケーション満足度について大掛かりな調査を行った。30項目に及ぶ質問に対する集計結果を眺めてみると、社内コミュニケーションに問題があり、従業員満足度が低いことが明らかになった。上司からの認知・承認や職場環境、人間関係などを中心に多くの従業員が何らかの不満を持っていた。一方で「休暇の取得」「安全性への意識」「職場環境への配慮」など基本的な要件に関しては不満はなく、会社のミッションや仕事そのものに対しては満足度は低くない。

この問題点を解決するために、行動科学マネジメントを取り入れ、トータル・リワードを活用することで、従業員満足度をあげて社内の活性化をはかる試みが実施された。トータル・リワードの「非金銭的な報酬」の中から特に「感謝と認知」の強化に取り組んだ。幾度かの検討を重ねて取り組んだのは「サンキューカード」の全社展開した。何らかの行動に対して、どんな小さいことであっても、そこに感謝の気持ちを盛ったならば、感謝の言葉を書いて相手に渡すというものである。しかも上からの押し付けでなく、幹部社員を除く従業員で構成された「社員会」が中心となって行った。

同社で取り入れられた「サンキューカード」の仕組みを簡単に説明する。まず一人の従業員が感謝を伝えたい相手に「サンキューカード」を手渡すと、手渡した側も受け取った側も「トレースカード」に一点加算される。つまり人から感謝される行動をするだけでなく、人に感謝する行動の重要性も意識している。実施しながら従業員の意見を聞きながら何度も試行錯誤を重ねている。

こうした仕組みは、継続して企業文化として根付かせてこそ効果が大きい。この仕組みを継続させるために「チームメンバーへ感謝の気持ちを伝えよう!」「上司や先輩に感謝の気持ちを伝えよう!」などのスローガンを掲げたキャンペーンを計画している。

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明治飼料株式会社様
営業プロセスを仕組み化するために、ピンポイント行動の徹底をはかる
~行動科学マネジメントを導入で、営業成績が135%アップ~

同社は、牛専門に配合飼料の製造販売、輸入粗飼料の販売を主たる業務とし、全国に5つの生産工場(直営、子会社、出資含む)、年間約50万トンの配合飼料を生産し、35の営業拠点を開設している。

現状の問題点としては、営業活動が統一されておらず仕組み化されていなかった。 「営業活動が属人的である」「営業に係るプロセスが各支店長次第で十人十色の状態」「個人プレーゆえ、社内での横の繋がりが薄い」「上司からの指示が漠然としている」などの問題点が見られた。そこで今回は、営業プロセスの仕組み化を目指すことを目標に行動科学マネジメントを導入する計画が立てられた。

・成果を上げる人へのインタビューによるピンポイント行動(成果に直結する行動)の抽出
・管理者向けの研修(行動科学マネジメントの研修)
・一般社員向けの研修(行動科学マネジメントの研修)
・一般社員向けの研修(チェックリストの作成)
・一般社員向けの研修(チェックリストの振返り)
・管理者向けの研修(チェックリストの振返り、部下育成設計書の作成の練習)

の導入手順を踏み、ピンポイント行動の徹底をはかった。

明治飼料研修風景
各セールスステップ毎の行動を細かく分析してピンポイント行動を徹底し、15チーム対抗のレースを実施。ゲーム感覚で楽しくピンポイント行動の達成率を競わせた。その後、ピンポイント行動を行った回数をグラフ化して貼りだす。優秀チームを表彰。最後に、ピンポイ ント行動を元に改善された営業プロセスを全員が見直した。つまり、一人ひとりにとって「正解」となる営業プロセスが仕組み化されたといえる。

今回の行動科学マネジメントを導入した結果として、『3週間で、営業成績が136%アップ』という効果を生み出すことに成功した。

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一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会様

フランチャイズシステムの健全な発展を図ることを目的に1972年に設立された一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会は、2013年6月、会員・一般向けにウィルPMのセミナーを開催しました。協会の教育研修委員としてセミナーを受講した古川氏に、その経緯や内容、評価について詳しく伺いました。


一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会について

一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会について教えてください。

当協会は、1972年に、当時の通商産業省の認可を受けて設立されました。フランチャイズビジネスを運営する日本の代表的なフランチャイザーとフランチャイズビジネスに関心を持ち、協会の趣旨に賛同する企業によって構成されています。主な活動は、フランチャイズシステムに関する教育研修や調査研究、規範制定、広報、相談などです。

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なぜウィルPMのセミナーを受講したのか

今回のセミナーを受講した経緯と内容について教えてください。

私は当協会の教育研修委員であり、フランチャイズビジネスをしている企業の教育部門で働く社員でもあります。常日頃から情報収集をしており、ウィルPMには以前から興味を持っていましたので、協会主催(SV学校)でセミナーを開催する運びとなり、受講しました。

※SV学校・・・ SV(スーパーバイザー)学校は、1977年に開講し、SVとして必要な知識を講義、グループワーク、店舗診断実習等で学んで頂きます。卒業生は約1,800名で、フランチャイズビジネスの中心として活躍しています。また、1995年からは、スーパーバイザー士の認定制度を導入し、当協会の資格認定者は800名を超えました。

セミナーの内容は次の通りです。

項目 内容
実施時期 2013年6月14日(金)
受講者数 60名
研修形態 集合研修

 

項目 内容
『できない』→『できる』になるたった2つの方法
(やり方がわからない、継続の仕方がわからない)
└ワーク:「ペットボトルの水をコップに注ぐ」行動を分解してみよう
└達成感を感じるようなしかけ(系統的脱感作)
・素質や能力ではなく、コツの理解と継続力が大切であるという考え方
MORSの原則 ・行動と行動でないものを見極める
・具体化の方法
行動分解ワークショップ  
3つの理論の解説
「ディスクレーショナリーエフォート」「リインフォース」「ABCモデル」
・継続化のための理論
トータルリワード ・非金銭的報酬の活用方法
エンディング  
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セミナーへの3つの評価

セミナーへの評価を教えて下さい。

実際に効果があることはもちろん、商品の均質化やアルバイトの即戦力化に有効であることを評価しています。

それぞれ詳しく教えてください。

まず、実際に効果があることについて説明します。

セミナーの中で、「上位2割のハイパフォーマーが共通して取っている結果につながる行動を、6割の方々にしてもらうことで、全体の底上げを図る」ための手法と仕組みについての説明がありました。私が以前、スーパーバイザーとしてフランチャイジーを指導していた際、業績が改善したケースで行っていたことと、その手法の一部が同じだったため、納得感を持って聞くことができました。

次に、サービスの均質化について教えてください。

フランチャイザーは、フランチャイジーに対して、スーパーバイザーによる指導を行っています。同じ対価を支払っていただいている以上、指導の質は同じでなければいけません。しかし、実際には難しいのです。なぜなら、指導内容が抽象的だからです。例えば、「お客様を笑顔で迎える」という指導内容があった場合、「いつ、どのような笑顔をすればよいのか」は分からないため、10店舗あれば10通りの「笑顔で迎える」という行動を取ってしまいます。

行動科学の「行動を分解する」という考え方と手法を取り入れると、「お客様を笑顔で迎える」という抽象的な指導は、「どのタイミングで、何%の笑顔をする」と、具体的な指導になります。これなら、どの店舗でも同じように「お客様を笑顔で迎える」ことができるようになります。

それでは、アルバイトの即戦力化について教えてください。

フランチャイズの店舗運営は、アルバイトの方々がいないと成り立ちません。彼らは社会人経験が少ないため、接客をはじめとした様々な教育を受ける必要があるのですが、フランチャイジーは企業規模が小さく、大企業のように教育に多額の投資をすることができません。また、スーパーバイザーからの指導を受けられるのは、多くの場合、店長だけです。このような環境下で、アルバイトの方々に短期間でプロとして仕事をしてもらうには、彼らを即戦力化するための具体的な手法と仕組みが必要です。

行動科学には、どのような手法があるのでしょうか。

例えば、チェックリストというツールがあります。これはマニュアルとは違い、「科学的で客観的で、誰が見ても理解できる共通言語で行動が示されていること」や「該当する行動をした場合にチェックできるボックスがあること」などの特徴があります。チェックリストに示されている行動とは、「2時間に1回、薬剤を2回散布して、雑巾を4つに畳んで拭く」といったものです。これぐらい具体的であれば、アルバイト全員が何をすべきかを理解でき、同じ行動を取ることができます。また、「綺麗かどうか」といった生産性のない議論が発生する余地もありません。

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他のマネジメント会社のセミナーとの違い

ウィルPM社が他のマネジメント研修を行う企業と違う点を教えてください。

スーパーバイザーが、フランチャイジーを指導するには、「具体的な手法」と「その手法を継続していくための仕組み」の2つが必要です。どれだけ素晴らしい手法であっても、継続できないものは導入できません。ウィルPMのセミナーには、この2つが揃っているという点が違いました。

まず、具体的な手法について教えてください。

具体的な手法とは、ハイパフォーマーの結果に直結する行動を分解することと、分解した行動を、誰にでもできるようにMORSの法則(※)に落とし込むことです。

セミナーの中で、「ペットボトルを知らない人に、水を飲んでもらうために指示をする」という、行動の分解について理解するワークがありました。私は、「ペットボトルを開け、コップに水を注ぐ」と分解しましたが、セミナーでは、「ペットボトルを知らない人に対しては、まずペットボトルを見て、次にペットボトルに手を掛けてキャップを回す、というように、より具体的に行動を分解する必要がある」と説明を受けました。

私はここで、「なるほど」と思いました。というのは、ペットボトルの水を飲む際、私が「ペットボトルを見る」という行動を無意識にしていたように、ハイパフォーマーは、結果に繋がる行動を無意識にしている場合があります。その無意識の行動に着目し、分解し、MORSの法則に落とし込み、それをもとに指導することができれば、結果への影響は大きいからです。

※MORSの法則・・・ 行動科学マネジメントにおける「行動」の定義の仕方。行動とは、「M (Measured):計測できること」、「O (Obserable):観察できること」、「R (Reliable):信頼できること」、「S (Specific):明確化されていること」の4つの条件を備えている必要がある。この頭文字を取って「MORSの法則」と呼んでいる。

継続していくための仕組みが、なぜ必要なのかを教えてください。

一般の会社組織であれば、常に上司が部下の側にいます。もし部下が仕事をしていなければ、上司は注意をし、仕事をさせることができますよね。しかし、スーパーバイザーがフランチャイジーに訪問するのは、1週間、あるいは1ヶ月に1度といったペースです。また、フランチャイズ本部と加盟店様の関係は、横並びですので、上意下達ができません。ですから、フランチャイザーは、フランチャイジーが自ら行動を取り、成果を出し続けていく状態にする仕組みを持つ必要があるのです。

行動科学には、トータルリワードという考え方があります。これは「人が行動を継続していくには、金銭的な報酬だけでなく、それ以外の褒めたり、認めたりといった非金銭的報酬も与えて、動機付けをする必要がある」というものです。私はこの考え方に納得しています。過去の業績が改善したケースを思い返すと、私は、頻繁に店長を褒めたり、認めたりしていたからです。

人は褒められたり、認められたりすると行動を継続するのですか。

ただ単に、「頑張ってますよね。すごいじゃないですか。」と言われても、何がすごいのか分かりませんので、褒められても嬉しくありませんよね。これでは動機付けにならないので、継続しません。そうではなくて、チェックリストに記載されている具体的な行動ができていることを褒めるのです。自分が褒められた理由が明確だと、人は嬉しくなります。これが動機付けとなり、「この行動はいいことなのだ」と認識し、行動を継続するようになるのです。

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どんなフランチャイザーに適しているか

このセミナーは、どのような課題を抱えているフランチャイザーに適していますか?

「2-6-2の法則」の6割に対する教育に壁を感じているフランチャイザーです。「2-6-2の法則」とは、「会社などの組織は、上位の2割が成果に貢献している生産的で優秀なグループ、中位の6割が平均的なグループ、下位の2割が成果に貢献していないグループに別れる」という法則です。

このうちの6割に対して、パフォーマンスを引き上げるための働きかけをすると、結果が大きく変わります。そのため、多くのフランチャイザーが、この6割に対する指導に力を入れています。

御社ではどのようなことをされていますか?

例えば、成績上位のフランチャイジーの店長に、どのような考えでどのような行動をしているのかについてインタビューし、その内容を共有する場を設けたり、現場の様子を撮影し、編集した映像を観てロールプレイングをしたりしています。

しかし、真似できる人とそうでない人が出てきます。理由は、「何が良いのか」という議論をしても、「何となく感じが良い」、「動きがスムーズだ」といったように抽象的な表現になり、具体的に伝えることができないからです。当社ではどうしてもこの先に進むことができず、壁を感じていました。セミナーを受け、行動科学の考え方と手法であればこの壁を突破できるのではないか、と思いました。

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セミナー受講を迷っている企業様へ

ウィルPMのセミナーへ参加を迷われている企業様に、何かメッセージをお願いします。

目指すゴールが同じでも、ゴールへたどり着くアプローチの仕方は様々です。そのため、新しい研修を導入する際は、慎重に検討する必要があります。例えば、一方の研修では褒めることを重視しているが、もう一方の研修では叱ることを重視しているといった場合、受講者が混乱してしまいます。

しかし、ウィルPMの研修は、他の研修との親和性が非常に高く、どのような研修とも対立しません。それに、他の研修内容を自社に落とし込むために役立ちます。ですから、今までのアプローチ方法に、もし限界を感じているなら、安心して取り入れてください。

古川様、本日は、お忙しい中ありがとうございました。

取材協力:ソーシャルメディアデザイン
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株式会社龍名館様

ホテル、日本料理店、レストランなど、さまざまなサービスを提供している株式会社龍名館様は、ウィルPMの職人育成プログラムを導入しました。プログラム導入の担当である取締役の水野氏に、プログラム導入の背景と経緯、プログラムへの評価、導入後の変化などについて詳しく伺いました。


「人を合理的に育てるメソッド」を探し求めていました

ウィルPMのプログラムを導入した経緯

2012年頃に、あるビジネスセミナーのゲストスピーカーとして石田淳さんが登壇し、講演を聞いたのが、そもそものきっかけです。

当時、私たちは「人を合理的に育てるメソッド」を探し求めていました。 例えば、日本が誇る素晴らしい概念のひとつに「おもてなし」がありますよね。けれども、具体的に何をすれば「おもてなし」なのか? 勘や感覚というひと言で片づけるのではなく、周りの人間が反復・習慣化できるように、言葉などで具体的に教えられる人がなかなかいない世界だったのです。

行動科学なら、「おもてなし」といったマインドも具体的な「メカニズム」に出来るのではないか――お話を聞きながらそう感じました。

そこでさっそく石田さんの著書『教える技術』を手に取り、読みました。教え方が非常に具体的に書かれていましたね。なかでも最も感銘を受けたのは「シンプルにしなければ、人はやりこなすことができない」という点でした。複雑に伝え過ぎてしまうところに、人が育てきれない原因があるのではないかと感じていましたから。すぐに連絡を取って当社で講演をしてもらい、その直後に導入を決めました。

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一刻も早く職人本来の「創造性」を発揮できるステージへ

導入前に抱えていた課題

私たちのグループでは、日本料理店「花ごよみ」や「ホテル龍名館」などで日本料理を提供しており、職人が多数在籍しています。

和食の基本技術を土台に、お客様を感動させる創造性を発揮する――それが私たちのグループの求める料理職人像です。

包丁研ぎ、大根剥き、じゃがいも洗いなどの地道な基本作業はとても大切で、それらが出来なければ一流の職人にはなれません。野球で言えば、キャッチボールの出来ない人間が一流選手になれないのと同じです。

ただ、職人の世界には、料理の技は「教える」ものではなく「盗め」という考え方が根強く残っています。「師匠の背中を見ろ」という言葉に象徴されるように、精神性が重視されて、10年修業してやっと一人前になる世界なのです。

けれども、より合理的に教えることができれば、10年よりもずっと短期間で一人前の技術を習得できるのではないか、と思っていました。

また、料理人の世界は、離職率が非常に高い世界でもあります。料理学校を卒業し、志を高く掲げて入ってきた若者でさえ、モチベーションが続かずに途中でやめていってしまう。そんな若者たちに一刻も早く基本技術を習得させてあげたい、そして職人本来の創造性を発揮できるステージへ到達させてあげたい、とも思っていました。

ちなみに、この考え方は、マーケットの視点からも理に適っていると思っていました。変化がめまぐるしく、事業展開にスピードを求められる現代においては、「10年かけて一人前に育てる」という旧来の考え方では、マーケットから取り残されてしまうという強烈な危機感がありましたから。

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マインドと具体的なスキルを継承する「職人育成プログラム」

どのようなプログラムを導入されたのか?

2014年に職人育成プログラムを導入しました。

まず、総料理長の基本行動を再現化できるよう、「行動分解」することから始めました。そして、総料理長の下にいる料理長に対してウィルPMのスタッフの方がコーチング的に関わってくださり、チェックリストを作成しながら大事な行動を身体に馴染ませていきました。

また、大事なポイントを押さえて、1枚のクレドを作成しました。細部に注意を向けられる人でなければ、繊細な料理は作れません。クレドにある「四隅」とは、職人の精神を象徴した言葉です。

こうして、さまざまなステップを踏みながらマインドと具体的なスキルを両方共有していきました。

大事な行動を身体に馴染ませていく作業は、とかく地味なものになりがちです。けれども、ウィルPMさんのプログラムは、自分たちで新メニューを開発するワークを盛り込むなど、随所に楽しさを感じられる工夫がされていました。

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ベテラン職人に「教えることの重要性」が理解され始めた

導入直後の状況について

正直に言えば、導入当初は、ベテラン職人たちからの反発がありましたね。ただ、彼らも意地悪くそう考えていたわけではありません。自分たちが上の人間から教えられて育ってこなかったので、「若い職人たちに教えてあげてほしい」とお願いしても「いや、こちらから教えたら育たないだろ」と考えていたわけです。

そこで、「いや、基本的なことを教えなければ、考える材料が手に入らないのでむしろ育たないんです」ということを粘り強く伝えていきましたね。

また、最初は、ベテラン職人に暗黙知を言葉にしてもらうことでも苦労しましたよ。「その包丁使いを『MORSの法則』(※)で説明するとどうなりますか?」と聞くと、「それは『シュッ』としか言えないだろ」というやりとりは何度もありました。

それでも「職人さんたちが徐々に受け入れてくれるようになる」という説明をウィルPMさんから事前に受けていたので、私のほうでは気持ちが折れることなく続けることができました。実際、教える側のベテランにも「具体的に教えることが大事なんだ」という認知変換が徐々に起きてきました。

逆に、若い人たちは「早く教えてほしい」という思いが強かったので、導入を歓迎してくれましたし、プログラムに馴染むのが早かったですね。

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「成果の出る行動」を評価する組織となり、離職率は劇的に低下

導入後に見られた変化

全体的に行動が「見える化」されたことで、さまざまな変化がありました。

教えられる側にとっては、行動分解によって「自分は何が出来ていて、何が出来ていないか」がわかりやすくなり、自分自身の課題が見えやすくなりました。 また、何を頑張ればいいのかが明確になったことで、社内の競争原理も働きやすくなりましたし、自分がどの位置にいるのかも明確にわかるようになりました。

現在、当社では、年次にかかわらず能力のある人を引き上げていき、裁量権を広げていくことに取り組んでいます。本当の意味での成果主義は、「長く働いている」「汗をかいて働いている」「相性が良い」など、あいまいな部分で評価「本当に貢献しているか」の定義を明確にして評価する必要があります。そういった意味で、教える側・評価する側にとっても、行動科学で「見える化」したことにより、「成果の出る行動をしているかどうか」でしっかり評価できるようになりました。

事実、導入してからの約3年間で若手の離職率は顕著に下がりました。それまでは他の料理店と同じく離職率の高い職場でした。けれども導入後は、やむを得ない事情で辞めた者以外は全員在籍し、活躍してくれています。

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龍名館グループが世界展開する上での必須のメソッドへ

今後の構想について

次に目指したい段階は、マネジメント層の育成、社内トレーナーの育成ですね。行動科学のエッセンスを身につけた人間が、グループを横断しながら〝自前〟で次の人材を育てられるのが理想だと考えています。

非常に明快でわかりやすい言葉を使うところが、行動科学の大きな特長です。

また、仕事の分解のしかた、トレーニングのしかた、評価・検証のしかたなど、内容に差異はあっても、基本はすべて同じシステムで教育できる――そこが「再現性」のある行動科学の強みだと思っています。汎用性があるので、どんな職種の人間の育成にも非常に役立つんです。

日本料理の職人たちの他にもホテルのサービス担当、グループの広報担当など、グループの各部署からさまざまな人間がウィルPMさんの研修を受けています。実際、私どものグループでは、行動科学を現場の運用の核と位置付けています。

今後、「1899ブランド」を世界各地でフランチャイズ化していく構想があります。そんな中、私たちは現地オーナーやオペレーターに対して行動のしかたを明確に伝えていく必要性をますます感じています。我々龍名館グループがさらに発展していく上で、行動科学は必須のメソッドですね。

水野様、本日は、お忙しい中ありがとうございました。

取材協力:有限会社ジェット
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株式会社総合オリコミ社様

折り込みチラシをメインとした、さまざまなアウトストアプロモーションから、カタログ・各種POP・売場ツールなどのインストアプロモーションまで、トータルでの提案を行っていらっしゃる株式会社総合オリコミ社様は、ウィルPMの制作部育成プログラムを導入しました。代表取締役の中島氏に、プログラム導入の背景と経緯、プログラムへの評価、導入後の変化などについて詳しく伺いました。


可視化とチェックの仕組みで、何をどう教えればいいかわかる

ウィルPMのプログラムを導入した経緯

東京支店の支店長が、あるビジネスセミナーのチラシに掲載されていた石田淳さんの講演案内を目にとめ、参加したのがきっかけです。

「非常に理に適った講演だったので、次の3回セミナーに参加したい」「社内でこの仕組みを広げたいので、他のメンバーも講演に参加させたい」「石田先生に当社に来てもらって講演をしてもらいたい」といった感じで、徐々に広がりを見せていきました。2016年4月に石田さんが広島本社で講演をしてくださり、私も講演を聞きました。たしかに素晴らしい内容だったので、2016年の6月にプログラムの導入を決めました。

特に印象に残ったのは、「可視化できる」「チェックできる」といった点でしたね。それまでは、教える側が教わる側に対して「こう動いてくれたらいいのに」と思いながらもうまく言葉にできないモヤモヤを抱えている状態でした。その部分が、行動科学によってクリアになるのではないかと感じました。

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ベテランと若手の間に生じている能力ギャップをなくしたい

導入前に抱えていた課題

当社は1975年の創業ですから、さまざまな年齢層の社員が在籍しています。そのため、スキルのあるベテラン社員と若い社員との差が当然ながら生じてきます。スキルの高い社員は、忙しい時にどう動けば良いのか自分自身でわかっている。けれども、そのノウハウを言葉にして具体的に教えることまではできませんでした。これは、制作と営業の共通の課題でしたね。

ですから、スキルの高いメンバーのスキルを、若いメンバーに具体的かつ明確に伝えられたら、若手社員たちのパフォーマンスが上がるのではないかと感じていました。

また、当社のメインクライアントは、ホームセンター、ドラッグストア、スーパーマーケットなどの小売業です。こういった店舗様はゴールデンウイークや年末年始休みなどに大きな売上をあげますが、チラシは「鮮度が命」なので、何ヵ月も前に制作するわけにはいきません。そのため、長期休暇の直前1ヵ月ほどに我々の仕事のピークがやってきます。

デザインチームは、マネージャーを中心に5~6名のチームを組んで進行しているわけですが、属人化、つまり「1つの案件を最初から最後まで1人で行う」というやり方だと、生産性があがらずに対応できません。みんなでやれるところはみんなでやり、デザイナーとして本来時間をかけたいクリエイティブな作業に時間をかけるために最適な方法を探していました。

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つまずく行動を特定し、いつ、何を、どう教えたらいいか共有

どのようなプログラムを導入されたのか?

まず導入したのは、制作部の若手を育成するプログラムです。現在、8人ほどのデザインチームのマネージャーを対象に、月に1回ほど広島本社で、ウィルPMのコンサルタントの方がワークショップを開催してくれています。

ワークショップでは、制作の流れの体系化を行っています。ステップで言うと、「若手がつまずく行動」を特定し、「教える内容」を具体化し、教えるという行動を習慣化するための「教え方”の標準化」に取り組んでもらいました。

ウィルPMのコンサルタントさんは、当社の現場の事情を踏まえながら毎回メニューを組んでくれますし、さまざまな相談にも乗ってくれているので、非常に助かっています。

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導入前より生産性向上、残業時間も短縮

導入後に見られた変化

マネージャーの人間たちが、ワークショップを通じて「こういう工夫は必要だね」「教え方次第でしっかり伝えることが出来るんだね」とすぐに理解してくれたのが非常に大きかったですね。第1ステップは今後の仕組み作りの土台になる部分なので非常に重要なのですが、全員でたしかな手応えをつかんだ状態です。

現時点で導入前より生産性は向上し、残業時間も短縮しています。数字的にもいい結果が現れてきています。社内でさまざまな取り組みを行っていますので、必ずしも行動科学のプログラムだけの成果とは言えませんが、確実に貢献してくれていると思います。

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創造性を発揮できる職場にするために、標準化を進めたい

今後の構想について

個人での偏差をなくし、全体の総労働時間をいかに下げるかを考えていきたいですね。そのためには、業務の標準化が必要です。「差をなくす」「標準化する」というところは、行動科学と相性が良いのかなと感じています。

と同時に、「単に労働時間を短くする」ということだけを目指してさまざまな取り組みをしているわけではないということも強調しておきたいですね。

私たちの会社は、制作しかり、営業しかり、「クリエイティブなもの作りがしたい」あるいは「クリエイティブな提案がしたい」という思いのある人材が集まっている会社です。制作であれば、デザインの質を高める部分に時間をしっかり使ってもらえるような会社にしたい。単純に「時間さえ短ければいい」ということだと、仕事は面白くないと思うんです。

もちろん、他の業界・業種と同じように、ルーティーンの作業は当然あります。そこをチーム力でスムーズに乗り切って、個々の能力を最大限発揮できる職場にしたいですね。

今までは、教える側が「なんでそれが出来ないの?」とざっくりした指導になってしまい、教えられる側は、「いや、こういうことがあって……」といろんな理由があいまって要求に達していないのですが、1つ1つをクリアにしてコミュニケーションをとることでまだまだ進化できる。細部を進化させることで、全体を大きく進化させたいと思っています。

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新しい時代を生き抜く、さまざまな取り組みを行っています

最後にメッセージを

少子高齢化の中で新聞購読者の数が減り、チラシの数も減っていきます。全体のパイが縮小して、優勝劣敗が進み、淘汰される確率は高くなります。ただ、それでも一定のパイは必ず存在するわけですから、「長年培った自分たちのスキルに自信を持ってNO.1を目指し生き抜こう」ということは常に呼びかけていますね。

また、そもそも新聞を読まない人も増えてきていますから、消費者にリーチする方法も考えています。最近ではSNSサービス「LINE@(ラインアット)」の代理店となってSNSから消費者に送信する広告を手がけたり、ウェブ上のディスプレイ広告を手掛けたり……と、新聞に折り込む以外の媒体の制作も行っています。

今までの歴史にあぐらをかくことはできません。と同時に、今までの自分たちの強みを捨てることもしません。紙媒体で長年培ったノウハウを、新しい媒体でも活かせると考えています。

また、来たるべき人工知能(AI)化の波に対しても、自社でプログラム開発に取り組むなど積極的に取り組んでいきます。「チラシ制作」という枠で考えるのではなく、「コミュニケーションのプロ」という位置付けで、自分たちの存在を捉えていきたいですね。そんな新しい時代を生き抜く上で、行動科学は重要なメソッドだと感じています。

中島様、本日は、お忙しい中ありがとうございました。

取材協力:有限会社ジェット
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株式会社テスコ様

すかいらーく様をはじめ外食チェーンを中心とするお客様に対し、修繕メンテナンス業務の管理・代行サービスを提供している株式会社テスコ様は、ウィルPMの職場オペレーション効率化プログラムを導入しました。プログラム導入の担当である取締役の津嶋氏に、プログラム導入の背景と経緯、導入後の変化などについて詳しく伺いました。


実際の「行動」を変えられるメソッドを探していました

ウィルPMのプログラムを導入した経緯

ウィルPMのセミナー案内をいただいたのがきっかけです。そのセミナーのラインナップの1つに石田さんの「教える技術」があり、受講しました。当時は「自分だけでなく社内のリーダー層も受けられる研修はないか」という視点で探していました。

そのセミナーが2回コースだったのですが、1回目が終わった後にの石田さんから“宿題”を出されたんです。その1つが「2回目が開催される2週間後まで、自分の部下に何回声をかけたか、『正』を書いて毎日チェックしてみてください」というものでした。部下に「いつもありがとう」など、ひと言かける行動を強制的にやらされたわけです(笑)。

ところがやってみると、2つの気づきがありました。1つは、「どれだけ自分が部下に声をかけていなかったか」がわかったこと。もう1つは、「実際に声をかけられた部下の動きが変わったこと」です。今まで自分から来ることのなかった部下が、自分から報告をしてくれるようになり、嬉々として動いてくれるようになりました。

私は2011年2月にテスコに入社したのですが、前職で経営企画の仕事が長かったせいか、「業績を上げるためには、まず仕組みや制度などハード面の整備・改善から」という固定観念があり、情報システムの整備や人事評価制度の改善に取り組みました。残念ながら、業績は上がりませんでした。暗中模索状態で、ビジネス書を読んだり、セミナーや研修に行ったりする中、企業変革の成功者は、挨拶や感謝など「どんなに小さくても今すぐできる行動」を非常に大切にしていることに気が付きました。そして出会ったのが「行動科学マネジメント」でした。行動を変えていくメソッドが体系化されているので、とてもしっくりきたんです。

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「とにかくスピードをあげる」ことで顧客満足度を高めたかった

導入前に抱えていた課題

1つは、リードタイムの問題です。私たちの業務は、飲食店さんの設備全般の修繕メンテナンスです。例えば、エアコンが効かないという問題が発生した場合、飲食店さんからすれば営業時間外の時間を使って一刻も早く直してもらいたいですよね。緊急性の高い修繕は「3時間以内に駆けつける」、通常の修繕は「3日以内には完了させる」を顧客満足の1つの指標と考え、この割合を上げたいと考えていました。

もう1つは業務効率のメリハリです。従業員同士や部署間の社内においても、お客様や取引先様との社外対応においても、とにかく目の前の仕事に追われ、こなすことで精一杯、「余計なことはしたくない」という日々が続いていました。業務にメリハリをつけることで、この状況を変えたいと思いました。「業務を回す仕組み自体は効率を重視し、人と人、特にお客様や取引先様と接する業務は気遣いや人情を重視する」というモットーで組織を運営していきたいと思っていました。そのためには自律的な組織運営が必要となるのですが、一足飛びにはいかないので、その前段階として「当たり前のことを徹底する。言語化して、共通認識にする」、「全社視点で組織・チームの役割を明確にする」ということが非常に大切だと感じましたね。

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教える人が参加し、現場を徹底して「見える化」&改善法を検討

どのようなプログラムを導入されたのか?

1ヵ月に1回、職場オペレーションを効率化する観点で、毎回テーマを変えながら研修をしてもらっています。参加人数は30名ほどですね。コールセンター、営業所、事務センターの「人にものを教える立場」の人に、雇用形態を問わず、すべて集まってもらっています。

これまでの研修で一貫して取り組んできたのは、「よくつまずくところはどこですか?」「それをつまずかないようにするにはどうすればいいですか?」ということの洗い出しです。あれこれ広げず、毎回1つにフォーカスして、「ここで間違いやすいから気をつけよう」ということを参加者全員で共有しました。そして、今日から現場でやれることを増やしていきました。

こうした研修でのさまざまな気づきをもとに、業務スピードアップの徹底、現場の実態を「見える化」して受付から作業完了までのデータ更新の適時的確性の徹底、経営数値をはじめとする日常情報共有の徹底なども進めてきました。

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リードタイムの数字が劇的に変動し、横のつながりも生まれた

導入後に見られた変化

まず、懸案だったリードタイムで変化がありました「3日以内修繕完了率」ですが、以前の60%程度から75%まで高まり、90%を目指せるところまで上がってきました。これはまさしく行動科学の研修の効果と感じています。

また、社内に横のつながりが出来たのも大きいですね。それまでは、コールセンターと事務センターの人間、東京と地方事業所の人間など、場所や役割の違う人同士が面と向かって話す機会があまりなかったんです。ところが、研修や合宿を通じて、顔を合わせ、話をすると共通言語が出来ていくんです。その後も、「こっちではこうやったらうまくいったよ。そっちでもやってみたら?」といった情報交換が行われるようになりましたし、良い意味での競争原理が働くようになってきましたね。

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人手不足が加速する今後、私たちのビジネスはますます伸びる

今後の構想について

これまでの研修は、「目の前の業務をいかにつまずかずにうまくやるか」がテーマでした。今は、組織の役割を全体最適の見地から再設計するに取り組んでいます。1泊2日の研修も行いました。これまでの業務をゼロベースで見直し、「そもそもこの仕事はこの部署でやった方がいいな」といった点などを社員とともに洗い出していきたいと思っています。

また、社員ひとり一人には、お客様、協力業者さん、前工程・後工 程の人に対する「担当業務+α」の気遣いや行動を求めたいですね。それによって、個の力がチーム・組織の力になっていくと感じています。そして、会社のビジョン、ミッションをペースとした自律的な行動ができる集団でありたいですね。そのためには、経営層が共感できるストーリーを語れることが前提となりますが、社員を巻き込みながらシナリオ作りをしていきたいと思っています。

今、労働人口の不足が叫ばれていますが、我々にはチャンスであると断言できます。外食産業の人手不足が深刻で、なかなか店舗のメンテナンスに人手を回せないからです。修繕を始めとしてさまざまなサポートができる我々のビジネスは、今後まだまだ伸びると感じています。まさに、今が変化の時。あらためて自分たちの強みを再確認し、真摯に取り組んでいこうと思っています。

そのためにも、楽しく、仕事のやりがいを感じられて、現場の方が働きやすい会社にする必要があると考えています。

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業績をあげるには、行動を変えなければいけない

最後にメッセージを

行動科学は、非常に実践的です。多くのセミナーや研修は、将来のビジョンや戦略に対して教えてくれたりするんですが、「では、今何をすればいいのか?」という疑問には答え切れていない気がします。その点、行動科学は「今、何をしたらいいか?」という疑問に答えられるメソッドだと思いますね。

「業績をあげるには行動を変えなければいけない」――そこにフォーカスしているのが最大の特徴だと思います。いくら良い話を聞いて目から鱗が落ちたといっても、実際に人が行動しなければ何も変わらないですから。導入を迷われている方に対しては、「ものは試しでやってみましょう」というメッセージを送りたいですね。

津嶋様、本日は、お忙しい中ありがとうございました。

取材協力:有限会社ジェット
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株式会社インサイト・ディレクション様

都心高額物件、タワー物件、大規模マンション、レジデンスなど、主に住宅関連の商品企画・コンセプト立案からプロモーションまでトータルにプロデュースする株式会社インサイト・ディレクション様は、ウィルPMのクリエイター育成プログラムを導入しました。代表取締役の井上氏に、プログラム導入の背景と経緯、導入後の変化などについて詳しく伺いました。


自分たちでまず取り入れてみたところ、社員の仕事ぶりが変わった

ウィルPMのプログラムを導入した経緯

2013年に、当社の取締役の人間が日経さんのビジネスセミナー「課長塾」で石田淳さんの「教える技術」という講座の存在を知ったのがきっかけでした。その後、私が石田さんの著作『教える技術』を読んで、「これは非常に面白いな」と感じました。そして「社員みんなで『教える技術』を読んで、行動科学について知ろう」というところから始めました。

次に、ウィルPMのコンサルタントの方をお招きして、2回セミナーで「行動科学とは何か?」を学びました。出席者は、経営陣からミドル層まで8人ほどでしたね。セミナーで学んだことをもとに、自分たちでチェックシートを作ったり……を始めました。

チェックシートを作って自分たちの作業プロセスを「見える化」する中で、数ヶ月で社員の仕事ぶりに成果が現れ始めました。例えば、行動分解の概念を知った中堅社員が、お客様へのプレゼンが非常に上手になっていたりしましたね。全社的に導入したいと感じたので、コンサルティングを依頼しました。2014年初めから2015年末まで、ウィルPMさんには約2年間指導していただきました。

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そもそも「教える」という概念が存在しなかったんです

導入前に抱えていた課題

当時は育成、特に若手の育成が課題でした。社内にいくつかの制作室を設けて、室長と部員の上下関係で仕事を進めていたのですが、若手が職場に定着しなかったり、一人前に成長するまでにかなり時間がかかるという問題がありました。教える側は「何をすればいいかわからない」「何を教えればいいかわからない」という問題を抱えていましたね。

当時の社内には、「私たちはクリエイターなのでマネジメントのプロではない」という考えがありました。「背中を見て覚えなさい」という考えが前提で、そもそも「教える」という概念が存在しなかったんです。これは、私たちの会社だけではなく、クリエイティブと呼ばれる業界の会社の多くが抱えている問題なのではないでしょうか。ただ、そんな状況を何とかしたいという思いがありましたね。

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「再現性があり、成果につながる行動」を洗い出してカードを作成

どのようなプログラムを導入されたのか?

クリエイター業務の標準化、キャリアステージの上げ方の「見える化」などをテーマにしたプログラムです。デザイナー、アシスタントがどのように仕事をして、どのようにキャリアステージを上げていくのか? 大きなフレームを私が洗い出し、プロセスの具体的な部分をウィルPMのコンサルタントの方々が洗い出してくれました。

具体的には、ウィルPMさんがアシスタント業務のようすを観察して、一緒に行動を分解したり……、トップデザイナーのデザイン業務を撮影して考え方・行動のしかたなどを分析して「成果につながるピンポイント行動」を一緒に見出したり……といった作業ですね。こういった作業を月に1回、3つのグループに分かれてワークショップ形式で行っていきました。

ワークショップを通じて、「再現性があり、成果につながるピンポイント行動」を整理していきました。最初はチェックシート形式の冊子を作成したのですが、社内で「チェックシートって、なんだか“やらされ感”があってイヤだね」という話になり、「だったらカード形式がいいんじゃないかな」ということで最終的にカード形式にまとまりました。

グループワークでは「こういう時に、こういう行動をして、実際に成果があった」という振り返りと行いながら、「自分たちの成果につながる行動は何か?」を洗い出していきました。だから、出来上がったカードは、言葉の表現なども含めて当社特有の風土が盛り込まれています。そこまで具体化したからこそ、実際に今も運用できるものになっているんだと思います。

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行動分解の概念を身につけ、お客様との打合せもスムーズに

導入後に見られた変化

まず経営陣視点での全社的なメリットを挙げると、このようにカードを作成して社内の標準化を進めたことで、「デザインはここまで出来ているね」「お客様の対応がここまで出来ているね」と、一人の人間の行動をさまざまな面から具体的に評価できるようになりました。

プログラム導入以前の評価軸は、極端に言えば「やる気があるかどうか」でした。けれども、それは非常に感情的で大ざっぱな評価軸だったと思います。

若手に関して言えば、成長速度が速くなりました。実感値で言えば、一人前のステージに到達するまで3年かかっていたのが、1年半になった感じでしょうか。社員の定着率も、当然ながら上がりましたね。

また、教えるということは自分のキャリアの棚卸しになります。中堅層は、若手を教えるという行為を通して、気づきが生まれ、自己成長が加速していきます。キャリアが上がっていくと、社内との関わりだけではなく、お客様や協力会社など社外との関わりも増えていきます。そういったステージにも、積極的に取り組んでくれていますね。彼らの職業意識が「制作物を作る『デザイナー』である」というものから「関係者を巻き込んで1つの方向性を作る『ディレクター』である」へと変わりました。行動科学を取り入れて学んだ中で得られた大きな成果だと思います。

お客様との打合せも、非常にスムーズに出来るようになりましたね。クライアントの言っていることって、いわゆる「あいまい言葉」が多いんですよね。「もう少し鮮やかな感じで」とかですね。でも、行動分解という概念を学んで、あいまいな言葉を具体化する質問などを身につけたので、「それは例えばこういうことですか?」といった会話が出来るようになってきましたね。それが中堅層の、いちばん目に見えて成長した部分だと思います。

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行動科学は、まず初めに習得したい基本の「型」です

行動科学の活用状況と今後の構想

それまでは、「やる気」という言葉で篩(ふるい)をかけている感覚でしたが、そうではなく、ひとり一人に合わせて、伝え方・やり方があるんだということがわかりました。結果として1人ひとりの個性も見出せるようになりましたね。

当社では現在、「パートナー制度」という制度を設け、中堅層と若手が1対1の関係で成長をサポートしています。上下関係ではなく、横並びになって育成をサポートしていくという関係で教えていくのですが、その際、カードが非常に役立っています。

行動科学は1つの「型」であり、若手が覚える基礎知識だと思っています。「守破離」で言えば、最初に学ぶべき「守」の部分です。行動科学を学んだことで、私たちは次の「破」の段階に進んだ状況だと捉えています。

「お客様の相談役になろう」というのが、当社のモットー。実は、デザイン会社という分野にありながら、社名に「デザイン」とか「クリエイト」という言葉は入っていないんですよね。我々の仕事は、制作物を作るだけではありません。社名のとおり、「潜在的な想い=インサイト」を把握し、「全体を指揮する=ディレクション」の立場で、仕事をしていきたいと思っています。

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「個人」という多様なブランドを、支えられる会社でありたい

最後にメッセージを

先日、決算を終えて、2017年から2022年までの中長期事業計画を社員や関係者に発表しました。そこで話をしたんですが、私たちは会社を「表参道のようなブランドショップが建ち並ぶ通りのようにしたい」という思いがあります。会社が上にあるのではなく、個人個人が1つのブランド。会社は、そんな彼らの活動を支えられるような存在でありたいと考えているんです。

現在は不動産広告業界で求められる存在になっていますが、「高付加価値の商品サービス」と「個人のブランド化」を掛け合わせて、より高みのあるステージで仕事できる集団になりたいですね。また、2020年の東京オリンピック終了後は「良い物は残り続けるし、悪い物は淘汰されていく」という二極化が加速すると思います。そのときにも、生き残り、選ばれる存在でありたいと思います。

そのためには、社内ベンチャー制度など、社員が自分のライフステージに合わせて自分の仕事をプロデュースし、それを会社がサポートしていける形を作る必要があると考えています。個人が会社に隷属する時代は、すでに終わりを迎えています。究極的には、「インサイト・ディレクションが会社と個人の関係を変えた」――と言われるような、そんな会社でありたいですね。

井上様、本日は、お忙しい中ありがとうございました。

取材協力:有限会社ジェット
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その他支援・導入企業様 導入企業一覧
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